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よいまちにっき

ぬぁ。

不戦条約破棄ですか。(笑)
青春の戦績好調、ライラの絶不振といいサプライズが続きますの。

どうあれ、参加者みんなが楽しめてれば、それ以上の事は無いと思うのですが──

そんなことを思いつつ、表でやれない独り言。
チラシの裏なので見ないほうが多分よくってよ。

続き

「──どうしろと言うのだ。」

机上に届けられた書類──今日の戦果。
万魔殿との交戦記録を眼にして……風紀委員長、宵待暁美は天井を見上げて溜息を吐いた。

──期間を区切った不戦同盟。

それは万魔殿からの打診であった。
通知を受け、代表組織『五行』の議題として俎上に上がった。
意見の交換は行われる中、採決の下る前──風向きから確定と思ったのだろう、勇み足で回答を返した者が居た。

前回の抗争で、万魔殿との同盟を提案した者だった。我が意を得たり、と言うべき状況に浮き足立つのも無理も無い。迷惑な話だ。

「──我が愛する母校には、議会共和制は、まだまだ早すぎたのかもしれん…な。」

胃がきりりと締め付けられるように痛む。口中に苦い物が混じる。
それを誤魔化すように、泥水のように濃い珈琲を啜った。

「トップダウン式の万魔殿と、同じ速度の意思決定は無理な話だが……そも、我々に意志決定が出来て居たのかどうか。」そう呟いて、苦笑した。

不戦協定。

ゆるやかな取り決めであっても、校風から学生らは概ね尊重するであろう…と、考えていた。

甘かった。

自身が、風紀が、どれだけ日頃雑務に追われているかを考えれば、最悪の状況を容易に想像出来たであろうに──。

「──我々五行は、約定を護る。護っているが……か。否、詭弁だな。」

そも、相手が求めて居たのは相互の不戦。

『五行は取り決めを結び、それを護る』
だが
『後の生徒は知らん。好きに任せる』
では、交渉にならない。馬鹿げている。

代表生徒──黒寧の声明では、『同盟は七罪と五行のみの相互不干渉』と発表した。
何故、何を根拠に黒寧が、奴が、万魔全体でなく、“七罪”のみと考えたのか。──分からん。
然し、異論があるのならば、そのタイミングで万魔殿代表が声を上げるべきでは無かったか。
椅子を蹴って御破算にしても良かった。
そうしなかったのは、相手校の代表が“成果”を焦ったのか。
はたまた、青春高校に信義を寄せていた為か──それも分からん。

翻って、自校のトップが頭越しに強権を発動したのは、幾分不愉快ではあるが──代表機関が意志決定の機能を発揮して居なかった以上、あまつさえ裁決を待たず暴走すらしてしまう状況だったのだから……止むを得ない処置であったのだろう。

同じ状況であれば、私でもそうした。──ついでに更迭・粛清も行ったかもしれんがな。

「筋道を言えば……グリムヴァルトが『条件がこう変わった、そちらはこれでも構わないか』などと再交渉してくるべき──だったのだろうが……」

勝手に五行の総意として回答した責任は果たして貰うのが筋だろう──ヤツはあのときなんと言ったか?
『私が責任を取る』そう言わなかったか。──畜生め。

奴の腹立ちは理解できるが…黒寧もまた大人気ない事をしたものだと思う。仮にも『代表組織の決定』を蔑ろに、公然と反故にする事を生徒に唆す。

酷い話だ。自身が設けた代表組織であろうに、半年待たずにレームダックにしてしまった。
戦国町全体に『この組織は交渉相手に値せず』と晒し者にしたに等しい。その瑕疵は、青春高校その物にも及ぶかもしれない。来年、再来年。あるいは十年後の青春高校の禍根と成りかねない。

暗澹たる気分だ。

この状況、私が執れる対応は幾つあるだろう?
考えられるのは

①:クーデターの再考。

これは、ない。
もう一年程も前のタイミングであれば、一考の余地はあったが。
風通しは随分と良くなっている。少し前より青高は確実に前に進んでいる──と信じている。

だから、積み重ねたモノを力で覆す事は、ない。

②:協定を侵害した生徒を風紀の名に於いて私刑に処す。

妥当かもしれない。
相手の溜飲が納まるかどうかは別として、代表組織としての面子は繕えるだろう。

しかし、黒寧は“罰することはしない”と明言した。
真っ向から対立する形となるだろう。

卒業前のこの時期に、青春高校を荒立てる事は──出来ればしたくない。

③:あの女に“責任”を果たして貰う

私個人の溜飲は下がる事請け合いだが──
昔から、あの手の階級は自分の詰め腹は切らない物と相場が決まっている。
私が皇前会長閣下を尊崇しているのは、あの方が自ら泥を被る覚悟を帯びているからに他ならない。

責任を追及するのも良いだろうが、きっと腰まで泥に漬かったかのような状況が待っている事だろう。

……命令とは、発令者が一切の責任を負う。或いは、協定破りが発生したとき、責任を黒寧が自分一人で抱えこむ為のあの言葉だった……のだろうか?
……考えても、分からん。
全て終わったら尋ねてみるのも良いかもしれない。

④:開き直る。

──謝罪するのは、有り得ない。
少なくとも、我々が代表組織の人間である限り、は。

人が死んだ、という。

然し、何故“受け”た?
その場では戦闘を回避し、後から抗議を寄越せば事足りた話ではないのか。

我々は、五行は、暴走した一生徒がどう回答したかはいざ知らず、我々の代表生徒、黒寧による公式の声明に従って、万魔への不干渉は間違いなく守った。

非難される筋合いは一切無い。

──そう言い放ったところで

納得は…しないだろうな。
既に泥沼。どうにもならない。現実は非情である。

いっそ、互いに気の済むまで削りあう他無いのかもしれない。

何度目かのため息を、珈琲で流し込むと…山積みの書類との格闘を再開した。

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さのつく人 2008年04月03日(木)20時41分 編集・削除

タイトルがまた変わっていることに今気づいて吹きました。
よいまちさんかわいいよ宵待さん。

良い意味でも大波乱でしたね、不戦条約破棄。
ただ、抗争っていう期間の中だと、普段なら惜しまれて退場だったり、友達が復活フラグを立ててくれてめでたしめでたしになる死亡イベントも、いろんな人に波紋を起こすなあとは思いました。
深く深く深く自戒をこめて思いました…。

抗争の感触も毎回変わっていく感じがあって、このナマモノ感が難しいけど楽しいです。
新学期もよろしくおねがいしまーす…!

望月一角 2008年04月04日(金)10時36分 編集・削除

はわ、よりにもよって実に読みにくいコレにレスをつけていただき恐悦至極。

タイトルは…ホントは1シーズンごとに替えていくつもりだったんですが、すっかり不精してこのペースです。てへ。

条約締結という選択肢が、実際に選択されたのは意義深かった今回の抗争でしたね。(こく。)
結果破棄されましたが、意味は大きかったと思うのです。

アンケートでは、戦略ゲーム化していくのが賛否両論だったりするようですが、普段のバトルと違い、組織戦であることを考えれば、いっそ、もっと突き抜けてくれても良いような。(笑)

死亡イベントは……悼んでくれる交友に心当たりがないので踏み切れません。(どよる…(笑))
関係を積み上げて、積み上げて、死亡で以って完成。
かくありたいと思う限りです。はふ。

こちらこそ新学期もよろしくお願いします──というか、さのさま、キャラ居ない……?!(龍念王すら…!・笑)