──かつて地球は滅亡の危機に瀕していた
宇宙の彼方から現れた未知の存在によって
生き延びるために人類は、悪魔の兵器を手に入れた
人々は、悪魔の兵器を駆使して
滅亡の危機から脱した
……はずだった。
そして…悪魔を討つための兵器を使い、人類同士の戦いが始まった。
戦いは今この瞬間も続いている
少女は星空を見上げ、尋ねる
『誰がこの戦いを終わらせてくれるの?』
──星々は何も答えてはくれなかった…。
***
地球連合艦隊の少将がバイド討伐のため、太陽系を出てから数年が経過していた。
新たに太陽系に流入する凶悪な戦闘生命体「バイド」の数はここ数年で激減した。
人々は、若き司令官の奮戦ぶりを想像し、平和が訪れる予感を共有していた。
……しかし、平和の予感は、長くは続かなかった。
地球側がバイドの攻勢を跳ね返すために開発した兵器は…
バイド生命体の種子を培養し、その凶暴さを利用するというものであった。
そして、太陽系のバイドが減り、戦闘が小康状態になっても…
軍はこのバイド兵器を手放すことができなかったのだ。
そんな地球連合政府のあり方に異を唱え、蜂起した人々は…
「グランゼーラ革命政府」を設立した。
元々相容れない両陣営の主張は平行線を辿り…
地球連合軍とグランゼーラ革命軍との間で、戦争が始まったのだ。
──木星衛星都市ゼ・ウースル。
木星の衛星軌道上に浮かぶ交易都市。太陽系でもっとも権威のある学術機関ジュピター・アカデミーもこの都市にある。
また、異能を持つ学生を集め、研究するために隔離された異能特区がある事はあまり知られていない。
・異次元上への跳躍が可能な『R戦闘機』
・エネルギー生命体であるバイドを滅しうる『波動兵器』
・バイドを以ってバイドを制する──『フォース』デバイス。
軍のある派閥では、人を超える力──『異能』を具えた人間をパイロットとする事で、バイドを討つ四番目の要素とする事を試みた。
これは、軍高官の思いつきで、士官教育過程としてのカリキュラムを加えられ、軍に編入されることとなった異能特区の学兵達の物語。